熱帯魚の世界では、「グッピーに始まり、グッピーに終わる」と言われるように、グッピーは、飼育しやすく、また、形の美しさや種類の多さが大きな魅力となっています。
グッピー飼育の落とし穴
飼育者の気持ち
グッピーの飼育を始めて、水槽で小さな産まれたてのグッピーをみつけたときの驚きと喜びは、それはもう大きなものです。

もっと増やしたい、美しいグッピーに育ってほしいと考えるのは、自然なことです。
親のグッピーが飼育環境に慣れてくると、たくさん仔を産むようになります。繁殖がうまく進むと、飼育者は大変うれしくて、もっと増やしたいと思うようになります。また、どんな美しい魚になるのかと夢がふくらみます。
落とし穴
でも、ここに落とし穴があります。
増えすぎ
グッピーは卵胎生ですから、卵ではなく、魚の形をした仔が産まれます。特別な産卵場所がいらないので、生き残って親になりやすい魚です。
自然の中で暮らしているグッピーは、エサがなくて弱ってしまう個体がでます。弱ったグッピーは、外敵に食べられます。洪水などで環境が激変することがあり、個体数は維持されています。
でも、水槽で飼育されているグッピーは、エサが豊富にあり、外敵がいません。
ですから、水槽では、増えすぎてしまったということがよく起こります。

これが、ひとつ目の落とし穴です。
仔の個体差
繁殖が進むと、いろいろな体質の仔が産まれます。
背骨が曲がっていたり、また、体色が悪い個体が産まれてきます。
背骨も体色も、成長してから分かります。これらの成魚をそのままにしておくと、背骨が曲がっり、体色の悪い成魚が増え続けることになります。
限られた水槽で楽しむわけですから、気持ちを鬼にして処分する必要が出てきます。
これが、ふたつ目の落とし穴です。